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11月も半ばが過ぎ、今年もそろそろ終わりである。11月は英語でNovemberだが、この単語の語源がラテン語のNovemberであることはよく知られている。有機化学を学んだ経験があるものならすぐ気づくのだが、novemは数字の9であり、Novemberは9番目の月の意味となる。
9番目の月という意味であるにもかかわらず、11月となったのはむろん理由があるのだが、しばしば間違った理由で記憶されている。

その誤った理由とはこのようなものである。もともとSeptemberはラテン語では7番目の月の意味通り7月を意味し、Octoberは同じく8月を意味していた。ところが、帝政の基礎を築いたJulius Caesarがそれまでの暦よりも精度の高いユリウス暦に改革したとき、自分の誕生日がある7月をJuliusと名付けてはめ込んでしまった。さらに初代ローマ皇帝となるAugustusも養父であるCaesarをまねて、トラキア、アクティウムの戦いの戦勝記念として8月をAugustusとして組み込んでしまい、結果として元の7月(September)、8月(October)は後ろにずれ込んで9月、10月となってしまった。

実際はこれとは異なっている。ローマの暦ができたときには(これはローマの建国者Romulusによる制定とされている)、現在は1月がその年の始まりであるが、Martius(3月)がその始まりとされていた。そして1ヶ月は30あるいは31日で、December(10月)でその年は終わる。そして冬の間は暦がなく、春の訪れとともに暦が始まるのである。これは、その当時は冬の間は農耕にしても軍事にしても何もできない状態であったので、暦が不要であったためではないかとされている。もちろんこのような暦は文明が少しでも進歩し、冬にも活動可能となるとたちまち不便になる。そのため次代の王によって11月および12月が創設された。このとき11月はローマの門神であるJanusを讃えてJanuariusと名付けられた。

この時点の5月はQuintilis(5番目の月)であり、6月はSextilis(6番目の月)である。すなわち月と言葉の意味が一致している。そしてそのまま3月を年初の月としていれば月と言葉の意味の不一致は生じなかったはずであるが、ローマの門神であるJanusの月が年の後ろにあるのはおかしい、年初がふさわしいという考え方が出てきた。そのため、Januariusを1月に変更し、Februariusを2月と後方に2ヶ月ずつずらしてしまった暦が考案された。この暦ではQuintilisは7月、Sextilisは8月、そして9番目の月であるNovemberは11月となってしまう。

この暦は公的に採用されたのであるが、元のMartius(3月)が始まりである暦に戻されたこともあった。また民間ではMartius(3月)が年初である暦が利用され続いていた。最終的に、Januariusが1月となったのはユリウス暦からである。
CaesarはJulius(7月)を組み入れたのではなく、すでに7月を意味するようになっていたQuintilisをJuliusに変更したのである。
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